スマホ新品の価格が高騰する中、スマホ代節約のため中古スマホを検討する人が増えています。AndroidがiPhoneより価格が安めなので価格だけでAndroidを選ぶ人も多いと思いますが、中古Android端末には注意すべき点があります。なぜ、中古スマホはAndroidよりiPhoneが高いのか、その理由を解説します。
AndroidとiPhone 中古機種の相場は?
中古スマホの購入を検討する場合、発売時期が新しすぎず、古すぎない、発売時期が2年前くらいのものから探しはじめるのではないでしょうか?
ITmediaの記事によると、今から2年前の2020年に発売されたミッドレンジ(税込み5万円未満)のスマホで評価が高かったのは以下の5機種でした。
出典:2020年を代表するスマートフォンは?(ITmedia)
機種名
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メーカー
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AQUOS sense4
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シャープ
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iPhone SE(第2世代)
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Apple
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Mi 10 lite 5G
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Xiaomi
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Redmi Note 9S
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Xiaomi
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TCL 10 5G
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TCL
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これらのスマホの中古価格はいくらぐらいになっているのでしょうか?
にこスマのサイトで調べてみると 在庫があった2機種については以下のようになっていました。
データ容量
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64GB
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64GB
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税込価格
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25,000円
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34,500円
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*価格は、2022/9/19現在
ほぼ同じ時期に発売された、同じような性能の端末なのに、AQUOS Sense4の 25,000円に対してiPhoneSEは34,500円と 9,500円も高くなっています。
さて、この価格差は、スペックの違いによるものなのでしょうか?もう少し調べてみましょう。
iPhoneSE(第2世代)とAQUOS Sense4 スペックの差は?
両端末のスペックを調べてみると以下のようになりました。
データ容量
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64GB
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64GB
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ディスプレイ
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フルHD+ (1,080 × 2,280)
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1,334 x 750ピクセル解像度
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チップ
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Qualcomm® Snapdragon™ 720G Mobile Platform 2.3GHz+1.8GHz オクタコア
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A13 Bionicチップ
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カメラ
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約1,200万画素 CMOS
F値 2.4
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シングル12MPカメラ
ƒ/1.8絞り値
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SIMカード
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nanoSIM×2
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nano-SIMとeSIM
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その他
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指紋センサー
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指紋認証センサー
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一見した限りでは、それほど大きな性能差はないように見受けられます。
スペックに差がないとすると、この価格差の原因はなんでしょうか?
「日本人はiPhoneが好きだから=人気があれば高くなる」で片付けることもできますが、もう少し別の理由があるのではないかと思います。別の観点から調べてみましょう。
価格差の理由はスマホの”賞味期限”?
スマホ端末がどのくらい長く利用できるか?いわゆるスマホの賞味期限を考えるときに、目安となるのが、OSのサポート期限と、修理受付可能期間です。
先の2機種については、2022/9/19現在、ハードウェアの修理は受け付けられていますし、OSもアップデートされています。
iPhoneとAndroidにおいてその違いを明確にするために、発売時期がもう2年古い、2018年発売の機種で両者を比較してみましょう。
発売時期が2018年でほぼ同じ、同じようなスペックのAQUOS R2とiPhone XRを比べます。
にこスマでは、AQUOS R2が11,000円なのに対して iPhone XRは 32,500円。更に価格差が開いてiPhoneのほうが21,500円も高くなっていました。
技術仕様
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発売日
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2018年6月8日
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2018年9月
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データ容量
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64GB
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64GB
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グレード
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税込価格
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11,000円
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32,500円
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注)2022/9/19現在 にこスマでの価格
スペックは2機種ともほぼ同じに見えます。
データ容量
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64GB
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64GB
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ディスプレイ
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WQHD+(1440×3040)
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1,792 x 828ピクセル解像度
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チップ
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SDM845
2.6GHz(クアッドコア)+1.7GHz(クアッドコア)
オクタコア
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A12 Bionicチップ
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カメラ
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約1,200万画素 CMOS
F値 2.4
|
シングル12MPカメラ
ƒ/1.8絞り値
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SIMカード
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nanoSIM×2
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nano-SIMとeSIM
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その他
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Face ID
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その違いが明確にでるのが、サポートの期限です。
サポートに関する情報を調べてみると、以下のようになっていました。
修理受付可能
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2023年3月末で終了予定
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受付中(終了日未定)
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OS最終更新日
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2021年8月17日(詳細)
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2022年9月13日 (iOS16)
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AQUOS R2については、ハードウェアの修理可能期限が残りあと半年に迫っています。OSのアップデートも1年前の2021/8/17で止まっており、もうこれ以上 アップデートされることはないでしょう。
これは、ハードウェアを提供しているメーカーと Android OSを提供している企業(Google)が異なるために、起こる現象です。ハードウェアメーカーは、新しい機種を販売し、サポートするために、いつまでも古い機種のサポートに労力をかけていられないのです。
それに対して、Apple 製品の場合は、OSのアップデートとハードウェアの修理の両面から、できるだけ製品が長く使えるようサポートしてくれます。同一メーカーが、ハードとOSを提供している強みです。
その実態を詳しくみてみましょう。
iPhoneのサポート期間は非常に長い
まず、iPhoneのOSサポートに関していえば、2022年9月13日に iPhoneの最新機種 iPhone14の発表と同時にリリースされたiOS16は、iPhoneXRもサポートしています。驚くべきは、iOS16は、2017年に発売されたiPhone 8までサポート対象にしていることです。
ハードウェアの修理については、OSよりも更に長い期間にわたってサポートが提供されています。
詳しくはこちら(保証期限の切れた Apple 製品の修理サービスを受ける)に書かれていますが、修理項目は、「バッテリー交換」「背面カメラ」「画面のひび割れ」「背面ガラスの損傷」「その他の損傷」が選択できます。
特にiPhoneのバッテリーの交換は、かなり古い機種までサポートされています。
このサイトで検索にでてきた最も古い機種では、2014年9月に発売されたiPhone6のバッテリー交換の見積もりができました。実に8年前に発売されたiPhoneです。
iPhone XRも当然バッテリー交換が可能であり、その金額は9,800円でした。
iPhone6のバッテリー交換料金
7,500円
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iPhone XRのバッテリー交換料金
9,800円
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結論:長く使うならAndroidよりiPhoneがおすすめ
以上のことを考えると、同じ時期に発売された、同じようなスペックのスマホ機種において、Android端末よりもiPhoneのほうが価格が高い理由がなんとなく想像できます。
iPhoneを長く使ってもらえる仕組みが整っているため、利用者が安心して、中古機種を売ったり・買ったりでき、中古機種の一大流通システムが形成されているのです。
安いAndroidスマホを短いサイクルで買い換えるのも選択肢ですが、地球にやさしいエコの観点で、iPhoneを長く使うというのもアリなのではないでしょうか?
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